千葉市中央区弁天の脳神経内科なら、脳神経内科 千葉

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〒260-0045
千葉県千葉市中央区弁天1丁目2−12
弁天町沼澤ビル3F

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病気の説明

認知症

当院では物忘れ外来を設けており、物忘れや認知症が心配な方の診断と治療を行っています。
初診時の診察には時間がかかりますので、事前に電話でご予約ください。

1. アルツハイマー

認知症の中でも多い病因です。主に60歳代あるいはそれ以上の年齢の人がかかる病気です。まれには40歳代、50歳代で認知症になることもあります。
物忘れが主な症状で、同じことを何度も聞くなどが特徴的です。自宅にある物を何度も買ってきてしまうことがあります。道に迷いやすくなることもあります。
診断には、自宅での様子、経過を詳しく聞くことが必要であり、ご家族が一緒に来院することが必要です。
現在、アルツハイマー病の治療薬として4種類の薬が使われています。これらの中で患者さまに合った薬を選択していきます。また、アルツハイマー病の方は自宅に閉じこもりがちになりますが、それでは体力が弱り、言葉も忘れていってしまいます。多くの人と会い、会話し、体を動かすことが認知症状の改善には大事です。通所リハビリテーションへの参加を勧めます。

2. 軽度認知障害

軽い物忘れはあるが、日常生活は自立しており、援助は必要がない状態をいいます。毎年、一定数の方が認知症になっていくので、認知症の入り口に立っている状態と言えます。
注意深く見ていく必要があります。

3. レビー小体型認知症

認知症の病因の一定の割合を占める病気です。認知症状に加えて、①ありありとした幻覚が見える、②姿勢が悪くなり小刻みな歩行になるなどのパーキンソン症状を伴う、③ぼうっとしているときとはっきりしているときがある、などの特徴があります。放っておくと転倒して骨折することも多く、早期に発見して治療する必要があります。薬剤過敏性があることも特徴的で、少量の薬で眠気やふらつきがでることがあります。
抗認知症薬で認知症状の改善が期待できます。抗パーキンソン病薬で歩行の改善も目指します。ご家族の幻視、妄想などへの対応法も指導していきます。

パーキンソン病

前かがみの姿勢になり、とぼとぼと小刻みに歩くようになる、動作が遅くなる、声が小さくなる、顔の表情がなくなる、手や足がふるえるなどの症状がみられます。初期には手足のこわばり感、腰痛などの痛みを伴うこともあり、このため整形外科に長いことかかっていることがあります。またうつ症状があり、メンタルクリニックにかかっていることがあります。診断には経過の聴取と診察所見が重要で、神経内科の担当医が診察して初めて診断がつくことが多い病気です。画像診断も診断の補助になります。頭部MRI検査の他、必要に応じて脳内のドーパミン神経機能を調べるダットスキャンやMIBG心筋シンチグラフィーも行います。多くの種類の抗パーキンソン病薬があり、症状の改善が期待できます。
パーキンソン病で症状の日内変動が著明な方には、深部脳刺激を行うために脳の手術を行うことがあります。この場合は千葉大学脳神経外科などに紹介いたします。

頭痛

当院では頭痛外来を設けております。頭痛でお悩みの患者様に合わせた検査・診断を行い、治療をご提供しています。
頭痛には、これまでに経験したことがないような頭痛が急性に起こる急性頭痛と、繰り返し慢性的に起こる慢性頭痛があります。
急性頭痛にはくも膜下出血、髄膜炎など直ちに治療を要する重篤な病気が含まれます。慢性頭痛の代表的な病気は片頭痛、緊張型頭痛ですが、脳腫瘍がみつかることもあります。

1. 急性頭痛

(1)くも膜下出血
突然に起こり、頭を殴られるような激しい頭痛が起こった場合には、くも膜下出血が疑われます。早急に頭部CTにて診断し、外科手術を受ける必要があります。

(2)髄膜炎
急性に発熱と頭痛が起こった場合には、髄膜(脳を包む膜)の炎症が考えられます。頭部MRI検査などを行った後に腰椎穿刺を行って脳脊髄液を調べて診断します。

2. 慢性頭痛

(1)片頭痛
数時間から数日続く頭痛発作を月に数回などの頻度で繰り返す病気です。ずきんずきんという拍動性の頭痛が片側性に起こることが特徴で、悪心や、光過敏、音過敏を伴うことがあります。10歳代から始まることが多く、30代女性では20%の方が片頭痛を持っています。発作の前に、ギザギザ模様がみえるなどの前兆を伴うこともあります。トリプタン製剤などを服用することによって、頭痛を軽微におさえることが期待されます。また予防薬によって、発作頻度を減少させることが期待されます。

(2)緊張型頭痛
頭全体を締め付けられるような痛みが慢性的に続くことが特徴です。肩こりを伴うことも多いです。頭痛に対しては、鎮痛剤、筋弛緩薬などで対処しますが、ストレスの解消、姿勢の改善も重要です。

(3)群発頭痛
急激に片側の目の奥から頭にかけてずきずきとえぐられるような痛みが起こり、涙が出て、鼻がつまる。頭痛は1、2時間で改善するが、翌日には同様の頭痛発作があり、2週間から2カ月も続くことがあります。こうした頭痛発作が毎年のように繰り返します。消炎鎮痛剤やトリプタン製剤の経口薬、点鼻薬で対処します。トリプタン製剤の注射薬を自己注射や、酸素吸入で対処することもあります。

手根管症候群

手のしびれの原因として多いものの一つです。欧米における有病率は高く、日本においても同様に高いものと考えられます。特徴としては夜間早朝に増悪する手のしびれ感や痛みですが、進行するとつまむ動作がしづらくなります。診察所見として、正中神経領域に一致する他覚的感覚障害(特にring-finger splitting:環指正中線を境界とする感覚障害)、Phalen徴候(1分間の手首屈曲位によるしびれの増悪)、Tinel徴候(手根管部を打鍵器で叩打した際の放散痛)、母指球筋萎縮などの特徴的症候があげられます。疼痛が強い場合や母指球萎縮がありつまむことができにくくなってきた場合には手術を考慮するのが一般的です。
誘因としては手首をよく使うこと、太ったりむくんだりすることなどが挙げられます。すなわち、専業主婦を含め手首をよく使う人や妊婦、糖尿病や貧血などがある人、肥満傾向がある人などに見られやすいと言えます。早朝にしびれ感・痛みが出現・増悪するので不眠の原因ともなり得ます。
当院では日本神経学会認定神経内科専門医による診察と神経伝導検査などにより、診断および治療方針の構築を行っています。

重症筋無力症

重症筋無力症(英語でMyasthenia Gravisと言い、略してMGと呼ばれます)は、力が入りにくなる病気です。具体的にはまぶたが下がったり、ものが二重に見えることで気づかれることが多いのですが、髪をとかす・乾かす、洗濯物を干す、歯を磨く、階段を上るといった動作の際に力が入らなくなることで気付かれることもあります。症状の特徴は、運動の反復に伴い力が低下し(医学的に易疲労性と表現します)、休息により改善すること、夕方に症状が変動すること(日内変動)、日によって症状が変動すること(日差変動)が挙げられます。頰をふくらませられない、目を閉じにくい、食事の途中でかめなくなる、ひどくむせたり、長い会話の途中から声が鼻にぬけて鼻声となり聞き取りにくくなったりすることもあります。病気を発症する原因は、血液中にアセチルコリン受容体抗体あるいはマスク抗体という異常なタンパク質が出現するためだと分かっています。2006年に行われた調査で日本人10万人あたり11.8人の患者さまがいると算出されていますので、神経疾患としてはまれな病気ではありません。胸腺腫や関節リウマチなどほかの病気をしばしば合併し、重症例では急性の経過で呼吸障害を来すことがあるため、MGの診断および治療計画の構築は速やかに行われる必要があります。診断・治療の指針として、日本神経学会・日本神経免疫学会・日本神経治療学会・日本小児神経学会の4学会と厚生労働省難治性疾患克服事業免疫性神経疾患に関する調査研究班の5者合同で作成された重症筋無力症診療ガイドラインが2014年に発刊されています。当院の医師もガイドライン作成に参加しました。

重症筋無力症に関する最近の代表的業績

著書

  1. 川口直樹. 重症筋無力症治療の進歩.神経治療学 2014; 31: 140-144.
  2. 川口直樹. 【進歩した神経内科疾患の実地診療●一般実地医家の活用と実践のために】 実地医家が活用すべき神経内科疾患治療の進歩とそのすすめかた 重症筋無力症 Medical Practice 2015;32(6):1013-8.
  3. 川口直樹. 重症筋無力症の新治験と治療. 神経治療 2015;32(2):197-200.
  4. 川口直樹. クリーゼの診断とその治療.Clinical Neuroscience 2014; 32: 1037-1039

英文雑誌

  1. Kawaguchi N, Kuwabara S, Nemoto Y, Fukutake T, Satomura Y, Arimura K, Osame M, Hattori T; The Study Group for Myasthenia Gravis in Japan. Treatment and outcome of myasthenia gravis: retrospective multi-center analysis of 470 Japanese patients, 1999-2000. J Neurol Sci. 2004 Sep 15; 224(1-2): 43-7.
  2. Kawaguchi N, Yoshiyama Y, Nemoto Y, Munakata S, Fukutake T, Hattori T. Low-dose tacrolimus treatment in thymectomised and steroid-dependent myasthenia gravis. Curr Med Res Opin. 2004 Aug; 20(8): 1269-731.
  3. Takamori M, Motomura M, Kawaguchi N, Nemoto Y, Hattori T, Yoshikawa H, Otsuka K. Anti-ryanodine receptor antibodies and FK506 in myasthenia gravis. Neurology. 2004 May 25; 62(10):1894-62.
  4. Uzawa A, Kawaguchi N, Kanai T, Himuro K, Kuwabara S. Serum high mobility group box 1 is upregulated in myasthenia gravis. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2015;86:695-697
  5. Uzawa A, Kawaguchi N, Kanai T, Himuro K, Oda F, Yoshida S, Yoshino I, Kuwabara S. Two-year outcome of thymectomy in non-thymomatous late-onset myasthenia gravis. Journal of Neurology2015;262(4):1019-23.
  6. Kanai T, Uzawa A, Kawaguchi N, Sakamaki T, Yoshiyama Y, Himuro K, Oda F, Kuwabara S. HLA-DRB1*14 and DQB1*05 are associated with Japanese anti-MuSK antibody-positive myasthenia gravis patients. Journal of the Neurological Sciences 2016;363:116-118.